なぜ今、エシカル消費が必要なのか?について語る
Share
「エシカル消費」って何だろう?
最近よく耳にする「エシカル消費」という言葉。直訳すると「倫理的な消費」となりますが、もう少し身近に言い換えると「人や地球にやさしい買い物をしよう」ということです。
例えば、コーヒーを買うとき。同じ値段なら、生産者の労働環境が保証されたフェアトレード商品を選ぶ。洋服を買うとき、長く着られる質の良いものを選んだり、リサイクル素材を使った商品を選ぶ。こうした「ちょっとした心がけ」が、エシカル消費の第一歩なのです。
私たちが抱える「見えない問題」
普段何気なく買っている商品の裏側で、実は様々な問題が起きています。
労働環境の面では、安価な衣料品の多くが発展途上国で長時間労働や低賃金といった過酷な環境で作られており、私たちが「安くて良い」と思って買った商品が誰かの犠牲の上に成り立っている現実があります。例えばウイグル自治区での生産品については、強制労働などの問題があったりします。
また、大量生産・大量消費のサイクルは地球環境に大きな負荷をかけており、森林伐採、水質汚染、温室効果ガスの排出など、私たちの消費行動が環境問題と密接につながっています。一つの例に、ファッション業界は毎年、 930 億立方メートルの水を使用し、 約 50 万トンものマイクロファイバー (石油 300 万バレルに相当)を海洋に投棄しているとのこと(参考:UNCTAD)。環境への影響が大きいと言えますね。
さらに、グローバル化により地域の小さな生産者や職人が廃業に追い込まれるケースも増えており、大手企業の商品ばかりが選ばれることで、地域の伝統や文化が失われてしまう可能性も懸念されています。
エシカル消費の具体的な効果
では、エシカル消費にはどのような効果があるのでしょうか?
生産者の生活向上という点では、フェアトレード商品を購入することで生産者に適正な賃金が支払われ、教育や医療などの社会インフラ整備にも資金が使われる商品もあるため、一つの商品購入が遠く離れた地域の人々の生活改善に直結します。
環境面では、オーガニック商品や再生可能素材を使った商品を選ぶことで、化学肥料や農薬の使用量削減、森林保護、海洋汚染の軽減などに貢献できます。
また、地元で作られた商品や伝統工芸品を購入することは地域の雇用創出や技術継承につながり、輸送コストも削減されるため環境負荷の軽減にもなります。
長期的には、消費者がエシカルな商品を選ぶことで企業も持続可能な事業モデルへの転換を迫られ、結果として業界全体がより責任ある経営へと変化していく効果も期待できます。
始めやすいエシカル消費のアイデア
「難しそう」「高そう」と思われがちなエシカル消費ですが、身近なところから始められます。
一人ひとりの選択が世界を変える
「私一人が変わっても何も変わらない」「自分さえよければいい」と思うかもしれません。しかし、同じ想いを持つ人が少しずつ増えていけば、大きな変化につながります。
何より、そのココロの言葉を無視することは、本当に豊かなのでしょうか。
近年、国や世界中の働きかけ、消費者の意識変化により、多くの企業がサステナブルな商品開発に力を入れるようになりました。私たちの「選択」には、想像以上の力があります。
エシカル消費は、決して特別な人だけができることではありません。
毎日の小さな選択の積み重ねが、より良い社会を作る第一歩となります。まずは、今度お買い物をするときに「これはどのように作られたのだろう?」と考えてみることから始めてみましょう。
代表 辻 薫