アフリカ布アンカラ(概要編)について語る
Share
ナイジェリアから仕入れたアフリカ布「アンカラ」を使用したプロダクトをご紹介しておりますが、そのアンカラとはどのような特徴があり、現地ではどのような利用がされているのかについてご紹介したいと思います。
1. アフリカ布アンカラの特徴
アンカラ(Ankara)は、見る人の心を躍らせる鮮やかな色彩と、思わず見とれてしまう幾何学模様が魅力的なアフリカを代表する布地です。
一枚一枚が独特のデザインを持ち、同じ柄でも色の組み合わせが異なるだけで、まるで違った表情を見せてくれるのが面白いところです。
アンカラの魅力は、無限?とも言えるような、豊富な色彩にあります。鮮やかな原色から落ち着いた中間色まで、多彩な色合いが織りなすハーモニーは芸術作品のようです。

また、幾何学模様や動植物、日用品など、それぞれに深い意味を持つデザインが施されており、単なる装飾を超えた文化的なメッセージが込められています。
質の良いアンカラは洗濯を重ねても色落ちしにくく、長期間愛用できる耐久性も兼ね備えています。アフリカの気候に適した軽やかな生地感は、暑い日でも快適に過ごせる機能性も持ち合わせています。

2. アンカラのルーツ
アンカラの歴史を辿ると、国際的な物語が見えてきます。現在「アフリカ布」として愛されているアンカラは、インドネシアのバティック技法とオランダの工業技術が出会って生まれた、文化の融合の産物です。19世紀から20世紀初頭にかけて、オランダの繊維会社がインドネシア市場向けに製造していたワックスプリント布が、西アフリカに持ち込まれました。その結果、ガーナやナイジェリアで大きな人気を博しました。
現地の人々は、この美しい布に独自のデザインや意味付けを加え、やがてアフリカ文化の一部として根付かせていきました。
ちなみに「パーニュ」という言葉も使われますが、フランス語圏のアフリカ各国で使われております。ナイジェリアは英語圏なので、パーニュとはほとんど言いません。
今では、アフリカ各国で現地生産も行われており(※)、それぞれの国や地域の文化的特色を反映したオリジナルデザインが数多く生み出されています。
今では、アフリカ各国で現地生産も行われており(※)、それぞれの国や地域の文化的特色を反映したオリジナルデザインが数多く生み出されています。
※市場では、最近は中国産が多く出回っています。
3. アンカラは現地で何に使われているのか
アンカラの最も人気の高い活用法は、やはり美しい洋服への仕立てです。現地を歩いていると、アンカラで作られた様々な衣装に出会うことができます。女性の場合、特にヨルバ族において伝統的な上下セットである「イロブバ」スタイルは特に人気が高く、結婚式などの特別な日には必ずと言っていいほど着用されます。



4. どれくらいの人数の人が着ているのか
実際に現地で「どのくらいの人が着ているのか」というのを意識して見てみたところ、ラゴスのイケジャでは約10人に1人がアンカラのセットアップを着用しているイメージでした(肌感覚ですので悪しからず)Tシャツにパンツスタイルのカジュアルな洋服がナイジェリアでも一般的ではありますが、アンカラがいかに現地の人々の生活に深く根ざしているかを実感することができました。日本で着物を着ている人に比べると、その割合の違いはイメージできるでしょうか。
5. ラゴスのビッグマーケットの紹介
ナイジェリアの商業都市ラゴスにあるビッグマーケット(Big Market)は、西アフリカ最大級のアンカラ取引の中心地として、まさに圧巻の光景を見せてくれます。
市場では、布の卸売業者、様々な物販小売業者、仕立て屋、そして世界中から集まる顧客が一体となって、活発な取引を繰り広げています。
これだけの人があるいてひしめき合っているのに、よく頭から物が落ちないなって感心していました(笑)
この場所に立っていると、活気を肌で感じることができるのですが、ぜひとも見ていただきたいです。元気になりますよ。
6. ナイジェリア人にとってのアンカラ
ナイジェリア人にとって、アンカラを着ることは、アフリカ系のルーツや文化への誇りを表現する大切な手段になっています。国際的な場面や重要な行事では、アンカラを活用した服を着用することで自分たちの文化的背景を積極的にアピールしていますし、ナイジェリア人にとっては、洋服を見れば出身が分かるというのも特徴のようです。
我々にとっての着物、オーダーメイドのスーツに近い感覚のアイテムですね。実は、日本とのつながりについても大いにあるので、それはまた今度語ります。
代表 辻 薫
代表 辻 薫