ケニアナイロビで感じた本物のアフリカンファッション 現地の日常着から民族衣装まで

ナイロビ滞在中、街を歩いていて一番驚いたのは、現地の人たちのファッションセンスの高さでした。実際に現地で見て、体験して、そして購入してきたアフリカンファッションについて、正直な感想をお伝えしたいと思います。

標高1,700mナイロビの気候に合わせた現地ファッション

ナイロビは年間平均気温17℃という涼しい気候。これが現地のファッションにも大きく影響しています。日本にいると「アフリカ=暑い」というイメージがあるけれど、実際のナイロビは朝晩が結構冷えるんです。


写真:ナイロビの路上で販売している古着のコート

現地の人たちは、この気候変化に合わせて本当に上手に着こなしています。朝は薄手のジャケットやカーディガンを羽織り、昼間は涼しげなコットン素材の服、夕方にはまた上着を足すという、重ね着が多いです。


写真:Kileleshwa付近の仕立て屋 ロングスリーブや長ズボンを製作

特に印象的だったのは、現地の女性たちが着ているコットン100%の美しいドレス。鮮やかな色柄でありながら、決して派手すぎず、上品な印象を与えてくれます。


写真:キベラのデザイナーズブランド LooslikeAvidoの洋服

乾燥帯の気候に最適な衣服の知恵

ケニアは乾燥帯気候の地域が多く、その環境に適した服装文化が根付いています。

ゆったりとしたシルエット

体にぴったりフィットしすぎず、空気が循環しやすいゆとりあるデザインが主流。これが乾燥帯での快適さの秘訣だと実感しました。

肌を守るための長袖・長ズボン

強い日差しから肌を守るため、薄手の長袖や長ズボンが多用されています。これは砂漠地帯の服装文化とも共通する知恵ですね。


写真:ビーチでくつろぐケニアの女性

アフリカファッションの多様性に驚き

「アフリカの服」と一言で表現するには、あまりにも多様性に富んでいることを実感しました。ケニア国内だけでも、部族や地域によって全く異なる衣装文化があります。

カンガ(Kanga)

東アフリカで最も親しまれている布地。2枚セットになっていて、1枚は腰に巻き、もう1枚は肩や頭に掛けて使います。現地の女性たちは本当に美しく着こなしていて、同じカンガでも着方次第で全く違う印象になることに感動しました。


写真:カンガ(文字が入っている布)と、後述のキテンゲ。どちらもアフリカンプリント。

キコイ(Kikoy)

元々は海岸部の漁師が着ていた布地ですが、今では男女問わず愛用されています。サロンやショール、ビーチウェアとして多目的に使える優れものです。


写真:ケニアで仕入れたキコイ

現代的なアフリカンプリント

伝統的な柄を現代風にアレンジしたドレスやシャツが街にあふれていました。若い世代を中心に、アフリカの伝統と現代ファッションを融合させた素晴らしいスタイルが生まれています。

キテンゲ(Kitenge)

ナイロビの市場や一部の店舗では、キテンゲと呼ばれる美しいプリント生地に出会うことができました。鮮やかな色彩と独特の柄が特徴的(前述の写真をご参照ください)で、ドレスやシャツに仕立てられているものを見かけることがあります。

アップサイクルアクセサリーの魅力

街の市場では、廃材や古い布を利用して作られたアクセサリーが数多く販売されていました。ビーズを使ったピアスや、古いサイザル麻の紐を再利用したブレスレットなど、創意工夫に満ちた作品ばかり。現地の職人と直接やり取りして購入することで、適正な対価を支払うフェアトレードの実践も自然と身につきます。これは日本にいては体験しにくい、貴重な学びでした。


写真:アップサイクル素材を活用したネックレスやピアスなど(Maro Designs)

アフリカ文化の奥深さを感じた体験

ファッションを通じて感じたのは、アフリカ文化の奥深さです。54カ国からなるアフリカ諸国それぞれに独自の文化があり、その特徴が服装にも表れています。カンガなどを使用した衣装から現代ファッションまで、すべてに意味と歴史が込められていることを実感しました。

まとめ:ファッションで感じるアフリカの魅力

ナイロビでのファッション体験は、単なる買い物以上の価値がありました。現地の気候や文化、そして人々の生活に触れることで、本当の意味でのアフリカンファッションの魅力を理解できたと思います。

これからも、エシカルでサステナブルなアフリカンファッションを日本の皆さんにも紹介していきたいと考えています。アフリカの豊かな文化と伝統を、ファッションを通じて感じていただければ嬉しいです。

代表 辻 薫

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