なぜMade in Tokyoを選んだのか?
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昔はMade in Japanといえば最高品質というものが代名詞でした。
しかし中国やベトナムなど、低賃金の工場で大量生産された商品が、商品価格の安さに、市場に多く出回ると、価格が高い日本製の商品が少しずつ減っていきました。私の母が勤めていた縫製工場もその流れを受けて、閉鎖。
私自身も最初は、海外製品は「安かろう、悪かろう」と思ったものの、品質を見ると、値段の割りには、悪くないと納得。何よりもファッションがコモディティ化しているので、「これでいいかな」って妥協できると思います。(なお、最近のアジアで生産されている商品の品質は、「とても高い」ことを付記しておきます)
これでは2倍以上の価格もする日本製の物が売れなくなるのは当然だろうなというのが正直な感想です(当然、2倍以下の企業努力をされている方もいらっしゃると思いますが)
ではなぜ敢えてMade in Japan、さらに高コストなMade in Tokyoにこだわったのか。
それは品質に、「最高」を求めたからです。
私が扱っているのはアフリカの貧困地域から仕入れた原材料。情報の少ない日本の方には、まったくマーケットが無いので、「安かろう悪かろう」という先入観が働くと思います。
ケニアに初めて渡航した際に会った、イギリス出身のケニアアパレルブランド創始者のアンは、「日本は先進的なものを求めないけど、品質にこだわるのよね」と言っていましたが、日本人が品質を求めることは海外でも知れ渡っているようですね。
商品の品質が悪ければ、受け入れられないのが、日本のマーケット。貧困地域を知ってもらおうと、製作したものの、全く売れないのであれば意味がありません。
何よりも長く、大切に使ってもらいたいのと、単なる商品ではなく、「誰もがもっとチャンスを得られる社会の実現」という大きな夢と希望を含めていることを、受け入れてもらうために、東京での生産を考えました。
KARL&Cのアイテムは、大手ブランドの商品製作を手掛けているメーカーで製作していたり、70年以上もの間マニュファクチャリングをしているメーカーで手掛けている商品なので、ディテールにも妥協が無いのが特徴です。
自信をもって、「三方よし」と言えます。
とはいえ、最終的にはアフリカの現地工場で、デザインも含めて、誰もが納得する品質のものを作ることも、私は夢に描いております。その話はまたいずれ。
代表 辻 薫