コロンビアの手織りモチーラについて語る

当店で販売しているモチーラの産地や、モチーラを取り巻く問題点などについてお伝えしたいと思います。

モチーラってどこで作られているの?

南米のコロンビアって聞いたことありますか?
コーヒーで有名な国ですが、実はカリブ海と太平洋の両方に面している、とても自然豊かな国です。首都はボゴタで、人口は約5,200万人。日本の約3倍もの広さがある国です。

そんなコロンビアの中でも、カリブ海に面したラ・グアヒラ県という場所が、今回ご紹介するモチーラの故郷です。

ここは砂漠が広がる半島部分で、先住民族ワユー(Wayúu)が暮らしています。ワユー族は国内最大の先住民族で、約30万人もの人々が住んでいます。

ちなみに、コロンビア全体では88もの部族と200もの言語集団があるという、本当に多様な文化が共存している国です。そんな中でワユー族の人たちは、昔からの伝統を大切に守りながら生活しています。

モチーラに込められた想い

モチーラ(Mochila)は、コロンビア北部のワユー先住民族が作る伝統的なバッグです。伝統的に女性が作り、母から娘へと受け継がれています。まさに女性の手から生まれる芸術品といえますね。

1本の細い糸で編んでいくため、作成に1か月以上かかることもあります。想像してみてください。毎日少しずつ、丁寧に糸を編んでいく姿を。そこには機械では作れない、人の温かさが込められているんです。

モチーラの美しい幾何学模様は、ただの飾りではありません。それぞれの模様には、ワユー族の世界観や自然への敬意が表現されています。動物や植物、宇宙の神秘まで...一つ一つの模様が物語を語っているんです。

でも、現実は厳しくて...

美しいモチーラの背景には、実は深刻な問題があります。

中間業者が大量に仕入れて、大きな利益を得る一方で、実際にモチーラを作る女性たちの手に渡るお金はほんのわずかでした。

1ヶ月もかけて作った作品なのに、生活していくのがやっとという状況の賃金しか渡されない状況。それでは誰のために、何のために製作しているのかってなりますよね。最終的には、これまでの伝統が維持できなくなります。

フェアトレードが変えてくれること

こんな状況を変えるために注目されているのが、フェアトレード(公正貿易)という考え方です。簡単に言うと、「作る人にも買う人にも、みんなが幸せになれる取引をしよう」ということ。

適正な価格で買い取りをすることで、技術と時間に見合った、きちんとした価格で買い取ります。これで職人さんたちも安心して制作に集中できます。

私たちが取り扱うla narrativaのモチーラは、中間業者を通さない直接取引です。私たちが支払ったお金が、確実に作り手さんに届くのです。

Cross Tradeの想い

世界中の誰もがもっとチャンスを得られる社会の実現に向けて、la narrativaのモチーラを取り扱っています。コロンビアのワユー族の作り手たちと直接つながって、本当の意味でのフェアトレードを実践しているからです。

コロンビアのモチーラは、単なるおしゃれなバッグを超えた、深い意味を持つ工芸品です。一つ一つに込められた職人さんの想い、受け継がれてきた伝統の重み、そして彼女たちの生活改善への願い...そんなすべてを感じながら使っていただけたら嬉しいです。

私たち一人一人の選択が、遠いコロンビアで暮らす女性たちの笑顔につながります。素敵なものを手に入れながら、同時に国際協力もできる。そんな素敵な循環を、一緒に作っていきませんか?

本物のモチーラを手にしたとき、きっと作り手さんの温かさを感じていただけるはずです。それが、私たちの一番の願いです。

代表 辻 薫

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